自己紹介

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はじめまして。
このブログを運営しているピロタです。
2年前に大阪から山口市阿東に移住。いつもは移動販売の仕事をしています。
今後、古民家再生事業を手掛けていく予定。
よろしくお願いします。

わたしは古民家が好きだ

太い大黒柱。
すすで黒くなった太い梁。
白い漆喰の壁。オレンジの石州瓦。
わたしは古民家が好きだ。
田園風景には古民家が本当によく似合う。

日本人の多くは新しいものに価値を感じる。
家電や服、もちろん住居も。
欧米は少し事情が異なる。彼らは古いものに価値を見出す。
だから、彼らの町並みは昔のままの家が残っていることが多い。

日本では古い建物は価値がないものと取り壊され、新しい家が次々と建てられる。
その結果、日本のどこも同じような町並みが広がる。似たりよったりの大量生産された家。確かに性能はよい。でも、画一的で面白みに少しかける。

古民家は管理が大変だし、隙間だらけで虫は多いし、冬は凍えるほど寒い。
それでも
個性的で、情緒もあって、歴史を感じさせる古民家がわたしは好きだ。

船平山から見た田園風景

サラリーマンを辞めて田舎に移住

山口市阿東。人口は約4000。
中国山地の左端に位置し、標高は300m。夏は涼しく、冬は県内でも屈指の豪雪地帯。
2010年に山口市と合併したが、その暮らしや風土、気候は全く別ものと思ったほうがいい。

なぜそんな田舎にやってきたのか?

サラリーマンを辞めて、山口市阿東に移住したのは2022年。今から2年前のことである。

有名大学に進学し、一流(と当時は言われてた。今も?)企業に就職。
家庭も住居も手に入れた。
天才ではないけれど、コツコツ努力できる才能はあったと思う。おかげでそれなりの生活ができるようになった。

ところが、
会社で地位が上がるほどに、自分の中に違和感を覚えるようになった。
「自分は何のために働いているのだろう?」
どれだけがんばっても、心が満たされることがなかった。そんな人は多いんじゃないかと思う。
だから、40歳になる前に15年務めた会社を転職を決意した。住宅メーカーの営業として…

これが大失敗だった。
半年で心と身体が壊れた。適応障害になり退職。生活が苦しくなり、夫婦関係も悪化し、最終的は離婚。暮らしていたマンションはローンが残っていたので売却。

長い時間をかけて積み上げてきたものは意外と簡単に失うもので、わずか3年で、仕事も、家族も、家もすべて失った。

ただ逆に吹っ切れた。
自由になったと思って、自分のやりたいことをやろう前向きに考えた。

これが移住を決めた理由。

阿東での新しい生活

出身は下関。
でも、別に地元の山口に戻ろうと思ったわけではない。たまたま。

田舎の求職を考えると、これまで気づかなかった案件を見つけることになる。
そのひとつが「地域おこし協力隊」だ。
募集内容は自治体によって異なる。その中で気に入ったものに応募。2022年4月に阿東で面接を受けた。そのときに見た素晴らしい景色、そして出会った人たちに心から感動し、一瞬でここに住みたいと思った。

当時にわたしは本当にボロボロ。移動販売の仕事も半日しかできないような状態。よく採用してくれたと思う。
勤務先は「NPO法人ほほえみの郷トイトイ」。仕事は移動販売車の販売員。3年間の任期で地域の人と交流し、課題を見つけ、新しい仕事で独立や就職を目指すのがミッション。

もちろんやりたかったのは古民家の再生。
ここ阿東は過疎化が進んでおり、空き家もたくさんある。古民家再生事業にはきっとニーズがあると思った。

さて、あてがわれた住居は古民家。
この家の外観を見たときには歓喜したものだ。なんと築140年。梁も柱も立派。理想の住居だった。

ただ、畳が気になったので、大家さんに許可をもらいフローリングに改修。シロアリの被害もあったので束石からやり直した。それ以外にも断熱材を導入したり、壁も漆喰に塗り直した。
古民家改装のテストケースと考え、すべてDIYで行った。

完成するとなかなかいい空間に仕上がったので音楽イベントを開催。地元の人たちに楽しんでもらえたらなと思っていた。
当日はスタッフも含めて30人くらいは集まった。大いに盛り上がりイベントとしはよかったと思う。

ただ、地元の人はほとんどいなかった…

このイベントはとても勉強になった。
結局、自分がやりたいことをやるだけではダメ。他所から来た誰かが、勝手に何かをやっている。自分たちには関係ない。そう思われていたに違いない。
まずは地域の人とつながりを持つことが大事。

移動販売の仕事でお客さんとしっかりとコミュニケーションを取る。
さらに休日は地域の困りごとを解決する「ピロタ工房」をはじめた。要は何でも屋さんだ。

この地域のひとたちは、別に都会の便利さなんかは求めていない。ただ、高齢による体力低下、人口減少による頼る人がいなくなり、今までの生活ができなくなることに不満や不安を感じている。

だから、わたしがお手伝いする。
一緒に作業し、雑談して、少しずつ関係を深めていった。阿東に来て2年目のこと。

古民家再生事業をはじめる

2024年11月。築100年の古民家を入手。家主が管理できなくなり、空き家になって10年の放置されていた物件。
樹木に覆われて建物は見えない。
瓦が崩れて、雨漏り、シロアリの被害。
当然、建物としての価値はゼロ。

それでもわたしはこの古民家には可能性があると思った。景色はよいし、SLを縁側から見える。駅も近いし、市街地にも近い。
何より築100年の建物は魅力的だった。

それでも損傷は思ったよりもひどく、改修費用もかなりの必要なことがわかった。
さてどうしたものかと悩んでいたところ、思いがけない助け船が…

わたしの受け入れ団体である「ほほえみの郷トイトイ」事務局長である高田新一郎氏が買い取ってくれるとおしゃってくれたのだ。新たなビジネスとしてゲストハウスを検討しているとのことだった。

本当にありがたい申し出で、今は売却をする前に最低限の改修を進めているところ。地域のひとも片付けに協力してくれた。前回の反省を活かし、今回はできるだけ地域のひとたちを巻き込んでいきたいと思う。

この古民家は地域のひとたち、そして外の人たち、いろんな人たちの交流が生まれる場所にしたい。
そして、この活動を多くの人に知ってもらい、古民家の価値を再認識してもらい、次の古民家再生事業につなげたい。

記念すべき古民家再生事業の第1弾と言えるようにがんばっていくので、これからもよろしくおねがいします。

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